2019年01月01日

ブログ『フランドル楽派の音楽家たち』

昨年11月から『フランドル楽派の音楽家たち』のブログがオープンしています!!!

ブログ『フランドル楽派の音楽家たち』

オーナーの新見 我無人 (にいみ がむと)さんからブログ開設当初からご連絡をいただいており、早く紹介しなければと思いつつ今になってしまいました。

本家の方が置かれているジオシティーズが今年度一杯で閉鎖されてしまうようで、新ブログの方に少しずつ移行されているそうです。

その本家の方は「まうかめ堂」が常々お手本、目標にしてきたサイトで、(その割に「まうかめ堂」の方は一向に目標に近づく気配がないのですが、)ジオ閉鎖と聞いてどうされるのか少し気になっていました。

ブログの形に移行されると聞いて一安心だったのですが、開設されたとお聞きしたので行ってみると、いきなりの豊富な内容に打ちのめされます。

まさにこれが現在的なあり方ですね!
開設されてから一ヶ月ちょっとですが、既に古楽ファンが興味を惹かれる情報満載です。

さらに、本家の方で公開されていた MIDI が mp3 化されて上げられているのがありがたいです。
改めて聞くと我無人さんの MIDI は本当に繊細です。人の声でやるとともすると覆い隠されてしまうかもしれない響きの核心部分が常に顕在化されているように思います。
しかも mp3 化されたことで意図された音色できけるのはありがたく、やられたかったことが私にはより鮮明になったように感じます。

(「まうかめ堂」はこの10年全く進歩していないので、そろそろ心を入れかえてまっとうな活動にしなければと思いました。)

というわけでブログ『フランドル楽派の音楽家たち』に注目です。




posted by まうかめ堂 at 02:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 中世以外の音楽

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

新年の mp3 です。
昨年に引き続き Garageband 再登場で、今度はシンセ版 Ars subtilior です。

・Grimace: Alarme alarme ( virelai, 14th C, GarageBand version ):[mp3]

なかなかに意味不明な演奏に聞こえるかもしれませんが、まうかめ堂的にはこういうのが Ars subtilior MIDI の一つの答みたいなものです。
(15年前にこの種の音源が手に入っていたら、こういうものばかり100個ぐらい量産したかもしれません。)

昨年は(活動を全くしていないにもかかわらず)いくつかお便りをいただいたのと、マショーの楽譜の本への掲載の話があったりしました。(「わが終わりはわが始まり」Ma fin est mon commencement の掲載許諾の問い合わせが来たのは二度目です。校正は前にある程度しっかりやっているはずなので大きな間違いはないと思いますが、やはりちょっと心配です。)

それと中世ルネサンス音楽史研究会によるミクロログス(全訳&解説)がようやく出版されたことがまうかめ堂的には大きかったかなと思います。(1998年に金澤先生の「中世音楽の精神史」の註で出版予定との情報を目にして以来、本当に20年待ちました。)

今年はなにか一つぐらいアウトプットが出せるとよいかなと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。

posted by まうかめ堂 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2018年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

新年の mp3 です。
今年は MIDI ですらないです。


  • Guillame de Machaut: Kyrie (Messe de Notre Dame, GarageBand version)
    [mp3]


iPad の GarageBand をいじっていたらなんとなくできたものです。
なかなかに末期的な感じですが、こういうのは今回限りです。

GarageBand にはアナログ・シンセの音がいろいろ入っていたので、「これは使えそう」と思い Solage の Fumeux fume を打ちはじめたのですが、途中で拍子を変えるやり方がわからず断念。
(後でネットで調べましたが。)

でノートルダム・ミサ、キリエになりました。
(キリエの繰り返しは三回ということで。)

ドラムセットは二度と使わないと思いますが、アナログ・シンセ版 ars subtilior は少しやるかもしれません。
(あと二胡は結構便利かも。)

今年も状況に大きな変化はないと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by まうかめ堂 at 00:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2017年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

新年の MIDI です。


  • Johannes Ciconia: Le ray au soleyl ( Lucca codex, 15th C )



チコーニアの prolatio canon です.
3声のカノンですが, すべての声部が別々の「速さ」で進みます.
上の声部は下の声部の4倍速で進み, 真ん中の声部は下の声部の3倍速で進みます.

詳しくは次のサイトを見てください

Mathematical Medieval Music: "Popular" (?) Music from 14th Century Italy: Part 1 - Johannes Ciconia (c. 1370 - 1412), Canon "Le ray au soleyl"

(というか上のページから Youtube へリンクがはられていて、それを見ればはっきり言ってまうかめ堂の MIDI は不要です。)

今年もなんとか新年の MIDI を死守しました。

というわけで今年もよろしくお願いします。
posted by まうかめ堂 at 02:34| Comment(6) | TrackBack(1) | 「まうかめ堂」の日記

2016年01月09日

In memoriam Pierre Boulez

オランダのラジオ局にブーレーズの追悼ページができてるようです。(スタンコ奥さん情報です。)

In memoriam Pierre Boulez

興味のある方はどうぞ。
posted by まうかめ堂 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世以外の音楽

20世紀音楽完全終了 ピエール・ブーレーズ追悼

数日前にピエール・ブーレーズ死去のニュースが飛び込んできました。

Mort de Pierre Boulez, symbole d’un XXe siècle musical avant-gardiste (Le Monde)
Composer Pierre Boulez dies at 90 (BBC)
Pierre Boulez, classical music's maverick, dies aged 90 (The Guardian)
Pierre Boulez, Composer and Conductor Who Pushed Modernism’s Boundaries, Dies at 90 (The New York Times)
ピエール・ブーレーズさん死去 仏の作曲家・指揮者 (朝日新聞)

90歳。

2013年には既に自身の作品の全集すら出していて、まだ生きてたのかと思われた人もいるかもしれません。

私にとっては特別な作曲家、指揮者でした。
若い頃、現代音楽なるものがどうしても理解出来ずに七転八倒していたときに、遠くの灯台の光のように、常に道標となったのがブーレーズの著作と演奏と作品(役に立った順)でした。
さらに後年、中世音楽に立ち向かうことになったとき、極めて有効だったのが「現代音楽」と格闘したときの方法論でした。

そういえば以前(すごい前)にもこのブログのいくつかの記事で、ブーレーズに言及していました。


20世紀のアルス・ノヴァ


ブーレーズはマショーをどう見ていたのか


「春の祭典」からマショー、デュファイを参照するブーレーズ


(なかなか8年も前の自分の文章を読み返すと微妙な感じがしますね。)

今となってはブーレーズに関して特別な感慨が湧いてくる感じでもありません。
ただ彼の死去によって、20世紀音楽と呼ぶべきものの当事者が完全にこの世からいなくなってしまったと言えるでしょう。

20世紀音楽完全終了です。
(「現代音楽」と呼ばれるものの継承者は若干ながら世界中にまだ存在しているようですが。)

このことは実はそれ以上の意味を持つかもしれません。

今やバッハから西洋音楽史を書き始めたひとはその書物をブーレーズの名とともに書き終えることができます。
(一方古代ギリシャあたりから音楽史を書き始めたひとは21世紀以降も書き続けなくてはなりません。)

前にどこかに書いたかもしれませんが、西洋音楽史における14世紀と20世紀は並行していると感じています。
もっと限定するなら、1350年ごろを起点とする70年ぐらいと1908年を起点とする60年ぐらいが対応するように思います。

私にとって、それが14世紀の音楽、特にアルス・スブティリオールの音楽に大きな関心を寄せる理由なのですが、21世紀の今、われわれは21世紀のギョーム・デュファイの到来を待ち望みます。

今世紀も既に15年が過ぎましたが、今世紀のデュファイが誕生する兆しすらみえません。
あるいはそれは一人の天才が登場するというよりは、無数のデュファイが現れるのかもしれませんし、もう既に人知れず世界のいたるところで誕生しているのかもしれません。

若きブーレーズは1951年のシェーンベルクの死去に際し、「シェーンベルクは死んだ」という短い論文を書いています。

Pierre Boulez: Shoenberg is dead

これはもちろん死亡記事などではなくて、無調に歩みを進め、12音技法というセリー技法の端緒を開発しておきながら、それを単純に古典的な形式に適用するなど、セリーそのものの可能性を見過ごし、misuse し続けた彼の諸作品に対する糾弾であり、それらは時代遅れのものであるとしてシェーンベルクの音楽そのものの死亡を宣告する記事でした。
(そしてブーレーズらセリー作曲家たちの出発点の一つとなったのがむしろウェーベルンであったわけです。)

ブーレーズの死去に際し、われわれは何を言えるでしょうか?

もう既に、彼自身の作品は忘れ去られたに等しい状況かもしれません。
少なくともアンサンブル・アンテルコンタンポランが存続している間は、ほそぼそと世界の片隅で演奏されることもあるでしょうが、近い将来、全く演奏されなくなるかもしれません。

そんな風にして20世紀が忘れ去られたとしたら(ブーレーズが20世紀音楽に占める役割は一般にそれほど大きく見積もられないかもしれませんが、そこが第一の問題でしょう)、20世紀を見過ごした21世紀、22世紀の人々の作る音楽が一体いかなる意味や価値を持ちえるというのでしょう。

今一度、21世紀のデュファイの到来を待ち望みつつ、真に終わってしまった20世紀音楽にわずかばかりの感慨を胸にいだきながら、記すことにしましょう。

ブーレーズが死んだ。
posted by まうかめ堂 at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世以外の音楽

2016年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

取り急ぎ新年のMIDIです。


  • Matheus de Perusio: Gloria ( MS Modena, 10v-11, 14th C )
  • mp3: [mp3]
  • MIDI: [GM], [SC-88]



ルネサンス直前のイタリアの Ars subtilior の代表的作曲家, マテウス・デ・ペルージオの Gloria です。
第2声部は fuga と記され, 第1声部をブレヴィス9個分遅れで追いかけるカノンになっています。
イタリア風にカッチャ (Caccia)というべきでしょうか。
トリッキーなテノールととともに華やかな感じの曲です。
(第2声部のホルンには高音無理させすぎですね。)

今年もなんとか新年のMIDIだけは死守しました。
実はハード面で多少トラブルが発生していて、mp3 はモノラルでしか録音できませんでした。

そんなこんなで今年もどうなることやらという感じですが、どうぞ宜しくお願いいたします。
posted by まうかめ堂 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2015年05月06日

PC renewal

皆様、またまた大変ご無沙汰しております。

さて、長年使ってきたPCの挙動が最近おかしくなってきました。
ときどきなんの前触れもなくフリーズします。(フリーズとはそういうものですが。)

おそらくハードの問題で、だいぶ長いこと使っているから無理もないかと思いつつ記録を調べてみたら、ほぼ8年間使い倒してきたことが判明しました。

まうかめ堂日記:CPU & マザーボード交換のはなし

このまま使い続けてある日お亡くなりになられるのはちょっと困るので、というのはこまめにバックアップは取っているものの、積んでるHDDが今はとんと見なくなったIDE接続で、前みたいにマザーが壊れたらぶっこ抜いて新しいマザーに挿せばいいという状況ではないからです。
(いざとなればIDE-SATA変換プラグなんてものもあるようですが、まあそれはそれで不安な感じです。)

というわけでPCを新調することにしました。

いくつか可能性を考えた結果、やはりというか結局というかDOS/V機を組み立てて、再びLinuxマシンにすることに…。

以下構成の記録です。

CPU: Intel Core i7-4970K
マザー: ASUS H97-PRO
メモリ: ADATA 4G x 2
CPU cooler: 刀4
HDD: Seagate バルク 2T
DVD: ASUS バルク
ケース: CORSAIR Carbide series 100R Silent
電源: くろしこ金500W

以上が新調したものです。
今回初めて電源を別に買い、CPU cooler なるものを初めて買いました。

グラフィックはいまのところ内蔵のもので済ませています。
十分いけてます。(グラフィックカードを新しく導入する以前に、ディスプレイが既に10年ものなのでこれを新しくしない限り新しいカードを買う意味がないというのがあります。)

それから最近のマザーの内蔵のサウンド機能も結構いけるなとおもいました。
でも、まだ長年使い続けている SoundBlaster Audigy 2 の方が若干音質が良いので、前PCからぶっこ抜いて新PCに挿しました。
(この SB Audigy も11年以上使っていることが判明。これからもどうぞ宜しく。そろそろマザーボードからただのPCIが消えつつあるので次は無いですね。残念ですが。)

入れるLinuxもそろそろ Ubuntu に乗り換えとも思ったのですが、これも結局慣れているからという理由で再び Debian に…。安定版の新バージョン Debian 8 Jessie がちょうど出たところなのでタイムリーといえばタイムリー???

新マシンが出来たところで命名です。

命名: guido.arezzo (グイード・ドット・アレッツォ、guido がPC名で arezzo はドメイン名)

ちなみに、これまでのPCの名前は

98年頃 Vine Linux 1.0: pynchon(ピンチョン)、pynchon.vineland
00年頃 Vine Linux 2.0?: machaut(マショー)、machaut.ars.nova
02年 Debian GNU/Linux 3.0 woody: dufay (デュファイ)
07年 Debian GNU/Linux 4.0-7(etch, lenny, squeeze, wheezy): ciconia (チコーニア)

でした。
posted by まうかめ堂 at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Debian

2015年01月02日

最古の「実用」オルガヌム

年末にスタンコ奥さんが興味深い記事を見つけてくれました。

Earliest known piece of polyphonic music discovered

実用的な用途で用いられた我々の知る限り最古のポリフォニー音楽が最近 British library で発見されたとのことです。

詳しくは上の記事を読んでいただくのが良いですが、少しだけこの発見の背景説明のようなことをしたいと思います。(言うまでもないことですが私の知識は限定的です。)

記事を読むと The earliest known practical example of polyphonic music ... has been found ... という一文が目に飛び込んできて、パッと見「最古のポリフォニーの発見か」というようにも見えるのですが、実はそうではなくて、ここでは practical という但し書きが必須です。つまり「実用的な用途で用いられたものとしては最古のポリフォニー」が新たに見つかったということです。
西暦900年ごろに書かれたものとのことです。

「じゃあ、実用でない(本当の)最古の例っていったい何なの?」という疑問が生じますが、それは音楽理論書の中に譜例として現れるポリフォニー曲として知られています。9世紀後半に書かれたと推定される「音楽提要 Musica Enchiriadis」や「学問提要 Scolica Enchiriadis」に現れる非常に素朴な平行オルガヌムの譜例が、「我々の知る本当に最古のポリフォニー曲」ということになるようです。

では「この発見以前に知られていた最古の実用ポリフォニー音楽って何っだったの?」かというと、それは11世紀半ば頃に成立したとされる「ウィンチェスターのトロープス集」に含まれるオルガヌム曲だそうです。

この「ウィンチェスターのトロープス集」はイングランド独特のネウマで書かれていて解読がほとんど出来てない状態だそうですが、内容的にはその少し後の「アキテーヌのポリフォニー」(1100年頃〜13世紀初頭)「カリクスティヌス写本」(1173年には成立)などに含まれるレパートリーと同程度に高度な自由オルガヌムの実例を含んでいるようです。

そこで、9世紀の音楽理論書に現れる素朴なオルガヌムの譜例と、11世紀以降突如大量に書き記される高度な超絶技巧オルガヌムの間の非常に大きなギャップがポリフォニー音楽の歴史における missing liik としてあったわけですが、今回の発見はそのギャップを埋める一つのピースということになりそうです。

上にも書きましたが、記事によると西暦900年ごろに書かれたものとのことで、9世紀の音楽理論書の成立の少し後ということになります。上の記事には解読した現代譜が掲載され、その演奏の YouTube が貼られています。
この演奏はぜひ聴いていただきたいのですが、4度の平行オルガヌムをベースに、それを音楽的にアレンジしたものになっています。
上述の「音楽提要」には Rex celi Domine maris undi soni という大抵の音楽史の本に載っているオルガヌムがありますが、発想としてはこれに近く、理論的に Rex celi として示されたオルガヌムのやり方は、こういう形で実践されたと考えると「なるほど」となる感じの音楽です。

確かにこれが本当なら大発見ですね。

発見者は Giovanni Varelli という人だそうですが、この曲の定旋律パート(vox principalis)の解読に関する記事が次で読めます。

Pitch, Rhythm and Text-Setting in Palaeofrankish Notation

オルガヌム全体に関する論文はまだ出版されていない(forth coming )ようですが、どういう経緯でこのような解読になったのか詳しく知りたいところです。
posted by まうかめ堂 at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽

2015年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

昨年も表立った更新が新年のMIDIのみということになってしまいました。
水面下では多少動いてはいるのですが、なかなかアウトプットとして出せません。

今年は前の記事に書いた「モンペリエ写本」に関係することをすこしやろうと考えています。

というわけで新年のMIDIは「モンペリエ写本」のモテトです。



(最近は本当になんでもYouTubeに上がっているので、わざわざMIDIを作って up しようという気がおきません。だけど新年のMIDIだけは恒例行事として続けたいとおもいます。)

それでは今年もどうぞよろしくお願いします。
posted by まうかめ堂 at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記