あけましておめでとうございます.
年に一度の更新を年始にやるという状態が続いておりますが,まるで路線を廃止しないために年に一度運行するバスのようです.
今年も音源を作りました.曲はなんとジョスカン,Missa Pange Lingua, Kyrie です.
Josquin: Kyrie (Missa Pange Lingua) [mp3]
なぜにジョスカンか.
フォンス・フローリスさんからメルマガを受け取っているのですが,少し前のメルマガでオンライショップの方で Pange Lingua, Kyrie の写本のページをプリントしたトートバッグを販売するとの情報.
見た瞬間即買いです.
(私は4声版の大きい方を買い,スタンコ奥さんが2声の小さい方を買いました.)
計量譜を見ると読んでしまい,読むと鳴らしたくなってしまうので,自動的にこの曲になりました.
バッグにプリントされているのは最初のページだけなので,後ろのページが欲しいところですが,同じ写本の画像はネットに見つかりませんでした.(どこかにあるのでしたら情報いただけるとありがたいです.)
Occo codex の画像は公開されていたので,Christe eleison 以降はこれを見ました.
Missa Pange Lingua は高校生ぐらいの頃タリスコのCDをよく聴いていて,楽譜(現代譜)も持っていた気がするのですが,当時は極めて美しい曲だとは思っていたものの,この曲の真の凄さに気づいてなかったかもしれません.
それで今回一通りやってみて,「やっぱすげ〜なこの曲」ということになりました.こういうのを完璧な作品というのでしょう.中世音楽をそれなりに詳しく見てきた視点で見ると
Contra Tenor 凄すぎ
中世の多声の(世俗)歌曲でも Contra tenor は注目ポイントで鑑賞のポイントでもありますが,ジョスカンの完全に統制された和声の中で Contra tenor のこの自由さはなんなんだろうというのが今回最も感動したところです.
mp3 の方は,500年前の曲を40年前の方法で演奏するみたいなことになっていますが, Contra tenor にかなり noisy な Funk Splash Lead(Heavy Sweep) という音色を当てているのは今回感動した声部への愛情表現みたいなものです.
それでは今年もどうぞよろしくお願いいたします.