ほぼ数学的な議論に終始する第二巻に対して,他の巻,特に第一,四,五巻をまとめようとすると,元となる古代ギリシアの理論について調べたくなってくるので,今は次のような文献を読み漁っていて,古代ギリシアのハルモニア論に絶賛脱線中です.
- アリストクセノス/プトレマイオス 古代音楽論集 山本 建郎 訳,京都大学学術出版会
- Andrew Barker: Greek Musical Writings: Volume 2, Harmonic and Acoustic Theory (Cambridge Readings in the Literature of Music)
- 片山 千佳子「カノンの分割」解題・訳・注釈,東京芸術大学音楽学部年誌 (通号 11) 1986, pp37〜62
アリストクセノス「ハルモニア原論」,エウクレイデス「カノンの分割」をひとまず読み終えたところで,現在プトレマイオスの「ハルモニア論」に取り掛かっているところですが,面白いですね.
段々ボエティウスを読むより楽しくなってきて,「古代音楽理論のまうかめ堂」でも作った方がいいんじゃないかという気分にもなってきます.(実際にそれをやるのは難しいですが.)
これらの文献に接する過程で,これまで疑問だったことのいくつかがわかってきました.
とりあえず項目だけここにメモして置きます.
- エンハーモニック音階の起源に関すること
- 「音楽」が数の学問であることの意味