2007年02月18日

Stravinsky Experience??

先週のBBC radio3 は、The Tchaikovsky Experience というタイトルでチャイコフスキー&ストラヴィンスキーの全曲放送ということで、まるまる一週間一日24時間、チャイコとストラビばっかりやってました。

(なんと、2月13日の「すたんこ日記」でも言及されています。リアルタイムの放送は終わっていますが、Listen again で放送後一週間以内ならまだ聴けます。)

で、先週はこれのストラビばかりを聴いたり録音したりで忙しかったです(笑)。

未聴の曲やら、珍しい録音を丹念に拾って録音していたら、最終的にファイル数が90を越え、ちょっとづつ mp3 化してサイズを落としているものの、現時点でトータル7Gを越えるデータになっています。(しかも全部ストラヴィンスキー。多分チャイコは一曲も聴いてない…。)

さすがに疲れました(笑)。

というか、まだこんなことにこういうエネルギーの使い方をするパトスが残ってたんだ、なんて思いました。

でも、貴重なものが沢山聴けて本当によかった。

とりわけ、晩年20年間(70才過ぎてから!)のセリー作品がまとめて聴けて良かったです。さすがにこの辺のレパートリーは録音がほとんど無いですね。BBC、ほんとに偉いです。

他に面白いと思ったものは以下のようです。

1.ピアノラ。
ストラヴィンスキーがピアノラ(自動ピアノの一種)を好んでおり、いくつかの曲をこの楽器のために書いているのですが、実際にピアノラの演奏を聴いたことはありませんでした。

しかし、BBCはちゃんとやってくれました。
一つは、管弦楽のための「4つのエチュード」の終曲の元曲マドリッドです。「4つのエチュード」の前三曲の元曲は弦楽四重奏で、それは結構聴く機会があるのですが、終曲のピアノラ版は初めてです。
やっぱり、聴いてみるとストラビが何をしたかったのか納得しますね。

もう一つは、「結婚」のピアノラ版です。
こちらはもの凄いですね。
MIDI ピアノ版「結婚」を作らねば、という気にさせられるものでした。


2.アゴン、二台ピアノ版。
よく知られているように、ストラビは編曲魔です。
意地悪く言うなら、自分が過去に作った曲を違う編成の曲に自分で編曲して、もう一儲けしようと常にしてた人です。(違いましたか。)

で、ピアノ伴奏の歌曲が、奇妙な編成のアンサンブルの伴奏に化けたり、大オーケストラのバレー曲が(二台)ピアノ版になったりしてるのですが、ストラビはそのどちらもが異様に面白いんですね。

この二台ピアノのアゴンも、きっと元はバレーのリハのためのピアノスコアか何かなのでしょうが、いいですね。
珍しいもの聴かせていただきました、という感じです。

3.ストラビ版ジェズアルド。
ストラビは他人の曲も編曲します。
一番有名なのは、事実上ペルゴレージ(その他)の人の作品の編曲なんだけどストラビ作曲という感じになってる「プルチネラ」ですが、一時、ジェズアルドにはまっていたこともありました。
(まあ、これにはジェズアルド生誕400年だったということもありますが…。)

それで二つの編曲?作品が残されています。一つはジェズアルドのマドリガーレの三曲をオケに編曲した Monumentum pro Gesualdo di Venosa, そして、もう一曲は、ジェズアルドの Sacrae cantiones という曲の失われた声部を勝手に補完した Tres sacrae cantiones です。

どちらもやたらと面白いのですが、まず Tres sacrae cantiones 。
「プルチネラ」でも、冒頭からストラビのものとわかる不協和音が忍ばせてあったわけで、こちらも、曲はもちろんジェズアルドなんだけどやっぱりストラビの響きになってるところがすごく面白い作品です。ある意味すごく器用な人です。
ストラビはマショーも熱心に研究してたそうなので、マショーのバラードのコントラテノールを勝手に書きかえるなんてことをやっていてくれたら面白かっただろうなぁ、などと思いました。

Monumentum の方も、ジェズアルドの楽譜をどう読むとこんなことになるのかわからないような作品ですが、古楽 MIDI をちょこちょこと作っている身としては、ちょっと示唆的かもしれませんね。

というのは、日頃、中世の曲を MIDI にするのに、各声部に何の楽器を当てればよいかというので延々と悩むわけですが、いっそのことこのぐらいのことをしてしまっても良いのかもしれないという気にさせられます。

つまり中世 MIDI を作るにあたっては、ノートル・ダム・ミサのオーケストラ版を作るぐらいのことをしてもいいという気にもなってくるのです。
(実際にやるのは難しく、私には不可能ですけどね。)

4.その他。
他に面白いものとしては、例えば、「マヴラ」の「パラーシャの歌」をチェロ&ピアノに編曲したもの (Chanson Russe) を、なんとフルニエが弾いてるなんてものがありました。

あとストラビの歌曲はキャシー・バーベリアン(ルチアノ・ベリオの奥さん)が歌うとなかなかハマるとかですね。


それにしても一週間御苦労様でした。
今日からは、しっかり寝ます。
posted by まうかめ堂 at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世以外の音楽
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3370361
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック