2007年01月21日

センター試験、世界史B

新聞で何気なくセンター試験の問題を見ていたら、世界史Bの最初の設問がサンチアゴ・デ・コンポステラに関するものでした。

いやはや、センター試験の問題で聖ヤコブ像の写真が拝めるとは思いませんでしたね(^^)。

でも実際の設問がどれもサンチアゴ・デ・コンポステラに直接関係するものでないというのはどうなんでしょうね?

特に問2。
「巡礼者や旅人」というタームにかこつけて、ここでコロンブスやクックについて聞くのはほとんど言い掛かりではないかと…。

受験生のみなさま、ごくろうさまです。

それから、後の方にクローヴィスの洗礼の様子を描いた絵が掲載されていますが、これはクローヴィスの時代のものではなくて、ずっと後の14世紀後半?の写本の中のものですね。
さすがに同時代のクローヴィスの肖像は無いのでしょうか。
posted by まうかめ堂 at 17:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年09月16日

西洋中世史の本

最近、西洋中世史関係の本が、文庫本など、わりと手にしやすい形で相次いで出版されていて、読んでみるとどれも面白く、このところ読書で忙しいです。

それらについて順にここに書きとめていきたいとも思いますが、まずは読んでる本のリストを挙げましょう。

1.「中世ヨーロッパの城の生活」ジョゼフ&フランシス・ギース著、講談社学術文庫
2.「中世ヨーロッパの都市の生活」ジョゼフ&フランシス・ギース著、講談社学術文庫
3.「中世ヨーロッパの歴史」 堀越孝一著、講談社学術文庫
4.「十二世紀ルネサンス」 伊東俊太郎著、講談社学術文庫
5.「色で読む中世ヨーロッパ」 徳井淑子著、講談社選書メチエ
6.「フランスの中世社会」渡辺節夫著、吉川弘文館

(なんか講談社が多いですね。)
1〜3はそれぞれ半分ぐらいまで読んでいて、4〜6はほぼ全くの未読です。

1, 2はアメリカの中世オタクの作家が書いたもののようで、読み物として非常に面白いです。ただ専門家というわけではない分、ときどき細部で「それは違うだろう」ということはあります。

例えば、2.は1250年のトロワについて書いてる本なのですが、その「第九章 教会」のなかにこんな記述が…。

実は、音楽史上、非常に大きな変化がまさにこの時期に起きつつあった。多声音楽の誕生である。
(中略)
まずテノールが不定の長さの一声だったのが、それぞれリズムを持った別々の旋律になり、そこへもう一声加わった。そこから「モテット」、一種の小フーガが育っていった。

まず、多声音楽の誕生はもっとずっと早いのですが、そこはまあ置くことにしましょう。でも、「モテット」はどう考えても「小フーガ」じゃないと思うんだけど……とかですね。

でも、「第十三章 中世演劇の誕生」には中世の神秘劇の起源がトロープスだったことが書かれていて、それはちょっと興味深かったです。(というかそれは知らなかった。)

1, 2には他にもいろいろ面白いことが書いてるのですが、それはまた、別に機会に、ということで…。
posted by まうかめ堂 at 18:15| Comment(3) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年07月12日

MML

ええと、ちょっと小声で言いたいのですが…。
私は「みやこだい音楽研究所」というところの「所長」に就任したようです。
posted by まうかめ堂 at 03:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年06月30日

計算が終わらない……

本業の方で、パワーカリキュレーションをやる必要があって、今日、ちゃちゃとプログラムを組んで、夕方6時半ごろ動かしはじめて5時間ちょっと経過、まだ半分も終わっていない(;_;)。

データは着々と掃き出されていて現在7.1Mのテキストデータに成長してる。一体全部で何行になるのだらう…。

全ての場合を列挙する必要は、本当は無いのだけど、総数がどのくらいになるのかというのはちょっと興味があるので、最後までやっていただきましょう。イタリア×ウクライナ戦が終わるまでには終わるでしょう。

まあ、日頃計算をしてる人から見れば、一日もかからない計算は計算のうちに入らないかもしれないんですけどね。
posted by まうかめ堂 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年06月06日

「盗作疑惑」について思うこと

あまりこういうところに時事ネタは書きたくないのですが、さる洋画家の盗作疑惑のことであります。
とうとう本人も「盗作と見られても仕方のない」ことを認めて、芸術選奨も取り消しになっちゃいましたね。

普段ならこういう話は「ふ〜ん」で済ませるのですが、今回わざわざ取り上げているのにはちょっと訳がありまして、というのは、朝、読売の朝刊で両者の絵がカラーで掲載されているのを見たときに、盗作の絵をオリジナルだと思いこんでしまい、夜あらためてみて逆だということに気付きえらくびっくりしたということがあったからです。

えらくびっくりしたのには次の二つのことがあります。

一つ目は、ルネサンス期の絵画の展覧会に行ったりすると、しばしば高名な巨匠の手による有名な絵画とともに、無名または本当に名前の無い人が描いた fake だか贋作だか模写だかが並べて展示されているのを目にすることがあるわけですが、ほとんど100%の場合その差は歴然としているということです。
fake の方はまるでオリジナルに及ばない。

二つ目には、にもかかわらずと言うべきか、私は盗作の絵の方をパッと見、優れていると判断していたことにあります。まあ、何分新聞のカラー画なので、この判断はまったくあてにならないことは確かなんですが…。
(それに、上のケースと盗作は違いますし。この場合のことはわからないけど、盗作がオリジナルを越えることはあるでしょうしね。それに、当時は盗作とは見做されてなかったけれども現代から見ると盗作にあたるかもしれなくて、オリジナルを軽々と越えてみせた人にモーツァルトがいますね。)

それで、盗作ということになった人の肩を持つわけではまったくないですが、「構図を借り、私なりのものを加えているのが自分の手法。」というのは言い訳でもなんでもなく、本当にそうだったんじゃないかという気もちょっとしてきました。
ただ、仮にそうだったとしても正当な手続きを踏んでいないのだからこういう事になってもしかたないことには変わりはないですけどね。

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posted by まうかめ堂 at 01:56| Comment(8) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年06月05日

吸血鬼映画論のようなもの (序)

きのうのマショーについての記事は、あとで読み返してみるとまうかめ堂の悪文のなかでもとりわけ悪文なものでしたね。

ほとんど思いついたままに書き散らしているので、分裂、散乱していて、しかも同時に三つか四つのことを詰めこんでいるために、他の人が読んで非常にわかりずらいものになってます。

まあ、でも、私自身の考えた痕跡ぐらいにはなっているのでとりあえずよしとしましょう。

さて、表題にある吸血鬼映画ですが、最近ものすごく驚嘆しつつ見てた1920年代の無声映画の中にF.W.ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu』(1922)があり、また、これは正確には無声でないけどカール・ドライヤーの『ヴァンパイア Vampyr』(1932)があり、さらに、HMVで一枚980円がさらに15%引きで800円台になっていたので思わず買ってしまったDVDにハマー・フィルムの『吸血鬼ドラキュラ』(1957)がありと、なんかたて続けに吸血鬼映画ばかりを見ていて、「そういえば吸血鬼映画って、なんか印象に残っているのが多いな」と思い、ちょっとまとめてみようかと思いたってこんな記事を書いているわけです。(←悪文。)

それで、なんか考えてるといろいろ言いたいことが出てきて頭のなかで収拾がつかなくなりつつあるので、今日はやはり項目だけ並べてみることにします。
(さて、後で中身を書く気になるかどうか…。)

1.吸血鬼映画マイ・ベスト1はカール・ドライヤーの『ヴァンパイア Vampyr』。
芸術性の高さで、やはりこれがベストになりますね。トーキーでありながらセリフを拒み、無声時代の表現が生きている名作…。

2.F.W.ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu』。怪優マックス・シュレックの強烈な吸血鬼のヴィジョンは、実はブラム・ストーカーの原作に最も忠実かもと思われ…。

3.やっぱりドラキュラのヴィジョンを世に定着させた映画と言えばベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』(1931)でしょう。

4.『魔人ドラキュラ』には脚本もセットも同じだけど役者が違うスペイン語版があるのって知ってました?

5.私のドラキュラの原体験はハマー・フィルムの『吸血鬼ドラキュラ』。
クリストファー・リーが私にドラキュラ像を植えつけました。

6.まさにC級ホラーのケッサク、怪優ウド・キア主演『処女の生血 Blood for Dracula 』(1974)。なんとアンディ・ウォーホールのプロデュース。(実は名前を貸しただけとの説あり。)あんまりの展開に大ワライしながら見た映画でした。

7.なんだかんだで一番つまらなかったのはフランシス・コッポラの『ドラキュラ』(1992)かも。

Appendix. 『ポーの一族』?『吸血姫美夕』?『ヘルシング』?『月詠』?


いやはや、こんなの全部書いてたら大変ですね。マショーのMIDIを作ってた方がずっと良いかも…。
posted by まうかめ堂 at 00:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 普通の日記

2005年12月10日

文庫でディラックとヒルベルトが読める

昨日帰宅途中に書店に立寄ったら、すごいものが文庫本になってました。

dirac.jpg

ディラックの「一般相対性理論」にヒルベルトの「幾何学基礎論」ですよ。
このクラスの理系の専門書が文庫になるのは快挙ですね。(岩波文庫の量子論や相対論の歴史的論文集を除けばほとんど皆無でしたね。)

「ちくま学芸文庫 Math & Science 」

ということでシリーズ化してくれるようですが、それにしてもこの第一弾、ディラックとヒルベルトという取り合わせはインパクトありますね。
筑摩書房、気合い、入ってます。

理系の学部生(ことによると専門課程の学生)が文庫本で勉強する時代が来たのでしょうか。

posted by まうかめ堂 at 04:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 普通の日記