2007年05月18日

デュファイの Ce moys de may のまうかめ堂訳

Ce moys de may soyons lies et joyeux
Et de no cuer ostons merancolie.
Chantons, dansons, et menons chiere lie,
Pour despiter ces felons en vieux.

Plus c'onques mais chascuns soit curieux
De bien servir sa maistresse jolie.

Ce moys de may...

Car la saison semont tous amoureux
A ce faire, pourtant n'y fallons mie.
Karissime! Dufay vous en prie
Et Perrinet dira de mieux en mieux.

Ce moys de may...

この五月、陽気に楽しくやりましょうよ
そして心の中から憂さを追い出そう
歌って踊って明るい顔をしよう
老けこんでるひねくれ者は蹴散らしちゃえ

各人はいつにもまして念入りに
うるわしの御婦人によく仕えよう

この五月…

なぜなら季節が愛する者すべてを誘うのだ
こうするように、だからこの機を逃さないでね
Oh my Dear! デュファイたってのお願いだ
そうすればペリネもますますいいこと言うだろうし

この五月…


[MIDI]
posted by まうかめ堂 at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽

2007年05月13日

デュファイの Ce moys de may の詞

みなさま、こちらではお久しぶりです。

ここ数ヶ月、本業の方で論文を書いていたために、他のことに使う余力がありませんでした。というわけでだいぶ御無沙汰になってしまいました。

それはさておき、「まうかめ堂」の最近の出来事として、アメリカの某大学のコンピューターサイエンスのさる教授(以下 O 教授)と、デュファイの Ce moys de may の詞に関してちょっとしたやりとりをしているというのがあります。

最初はその O 教授が、「まうかめ堂」の Ce moys de may の楽譜を見て、自分で作成した詞の英訳を送ってくれたのが事の始まりでした。そのメールでは、「自分でも source を見たいんだけども、あなたはどこで見たのか?」と訊いてきていて、「ファクシミリが出版されていて云々」と答えました。すると、先週になって、 O 教授が自身でファクシミリを検討した結果が、詳細なコメントとともに送られてきて、これを昨日今日、私の方で検討してみたところ、「まうかめ堂」の楽譜の詞の間違いもいくつか見付かったのと、あと、いろいろ面白い発見がありました。

O 教授の偉いところは Larousse の中仏語辞典をひき倒しながら、徹底的に自力で解読しようとしているところです。

一方、私の方はといえば、詞に関しては半ば諦めていて、というのはそれが目的の中心ではないからでもありますが、不明な箇所が出てきたら、市販の楽譜とか、CDのブックレットの中の詞とか、既存のものを参照してその中から最も納得のいくもので埋めとくことにしています(笑)。
さすがに自分が習熟してない中仏語のテクストの専門家による transcription をクリティークするわけにはいきかねますからね…。
(実はこれ、「まうかめ堂」で、楽譜の需要が最も多いにもかかわらずそれを無闇に増やすわけにいかない理由でもあります。補完して下さるかた募集。)

さて、それでO 教授の詞の transcription を見ていてわかったことがいくつかあります。

・私はこの Ce moys de may の詞を、何らかの形で印刷されたものを四つほど持っています。(Besseler 校訂の楽譜、CDの詞等)。もしかしたら、その全てが重要な局面で単一の transcription (Besseler か?)に依拠しているかもしれない感じがしてきました。

・例えば些細なところでは "Por despiter" という箇所。
写本に忠実に読むなら "Pour despiter"の方が良いかもしれません。
ただこれはほとんど表記の仕方が違うだけなのであまり問題にはなりません。

・ちょっと問題なのは "Carissimi" というパッと見イタリア語が突如現れる箇所です。写本ではどう見ても "k(?)rissime" のように読めます。
当然のことながら O 教授は「何であんたの transcription は Carissimi! になってるの?」と噛みついてきます。
いえ、私の所有する全ての詞が Carissimi になってるから、そのまま写しただけなんですけどね…。

しかし、ここはちょっと根拠をはっきりさせないと問題かなとも思いました。

それで、しばらく写本を眺めながら「カリッシミ、カリッシミ」と呟いていたら、これはイタリア語じゃなくてラテン語なんじゃないかと思いあたりました。
(先程言ったイタリア語というのは、私も O 教授も勝手にそう思ってたことなんですね…。)

より詳しく言うと、「カリッシミ、カリッシミ」と呟いていたら Antonius 'Zacharias' de Teramo という人の Sumite, karissimi というモデナ写本に含まれるアルス・スブティリオールの曲を思いだし、ラテン語である可能性に気付きました。

そして、やはりCe moys de may の中のこの語は karissime で、第一第二変化形容詞 karus の最上級 karissimus の男性単数呼格が名詞的に用いられていて、「親愛なる友よ」(訂正)「最愛なるものよ」という呼び掛けの意味になってると解するのが一番自然のように見えてきました。

ちなみに karissimus は carissimus とも綴られるようです。
すると Carissimi はパッと見イタリア語に見えるけれども、ラテン語と思うこともできて、その場合男性複数呼格で、「親愛なる友たちよ」(訂正)「最愛なるものたちよ」というような意味になります。イタリア語と見做しても複数のようです。

それでは、これまでの transcription において、karissime と単数に読めるものが、なぜ複数に解されていたのかが問題になりますが、詞の内容を見るかぎり複数と見做すべき積極的な理由は見当らないように思うのですが……どうでしょうか?(御意見求む。デュファイの場合、複数の写本に写されてることも多いので他の写本との校合により Carissimiなのかもしれませんね。)

そういうわけで、近々この曲の楽譜は改訂します。
特に、とりあえず Karissime になる予定です。

でも、「かりっしめ、でゅふぁーい」と歌うより「かりっしみ、でゅふぁーい」の方がカッコいい気も…なぁ〜んて。

posted by まうかめ堂 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽

2007年02月18日

Stravinsky Experience??

先週のBBC radio3 は、The Tchaikovsky Experience というタイトルでチャイコフスキー&ストラヴィンスキーの全曲放送ということで、まるまる一週間一日24時間、チャイコとストラビばっかりやってました。

(なんと、2月13日の「すたんこ日記」でも言及されています。リアルタイムの放送は終わっていますが、Listen again で放送後一週間以内ならまだ聴けます。)

で、先週はこれのストラビばかりを聴いたり録音したりで忙しかったです(笑)。

未聴の曲やら、珍しい録音を丹念に拾って録音していたら、最終的にファイル数が90を越え、ちょっとづつ mp3 化してサイズを落としているものの、現時点でトータル7Gを越えるデータになっています。(しかも全部ストラヴィンスキー。多分チャイコは一曲も聴いてない…。)

さすがに疲れました(笑)。

というか、まだこんなことにこういうエネルギーの使い方をするパトスが残ってたんだ、なんて思いました。

でも、貴重なものが沢山聴けて本当によかった。

とりわけ、晩年20年間(70才過ぎてから!)のセリー作品がまとめて聴けて良かったです。さすがにこの辺のレパートリーは録音がほとんど無いですね。BBC、ほんとに偉いです。

他に面白いと思ったものは以下のようです。

1.ピアノラ。
ストラヴィンスキーがピアノラ(自動ピアノの一種)を好んでおり、いくつかの曲をこの楽器のために書いているのですが、実際にピアノラの演奏を聴いたことはありませんでした。

しかし、BBCはちゃんとやってくれました。
一つは、管弦楽のための「4つのエチュード」の終曲の元曲マドリッドです。「4つのエチュード」の前三曲の元曲は弦楽四重奏で、それは結構聴く機会があるのですが、終曲のピアノラ版は初めてです。
やっぱり、聴いてみるとストラビが何をしたかったのか納得しますね。

もう一つは、「結婚」のピアノラ版です。
こちらはもの凄いですね。
MIDI ピアノ版「結婚」を作らねば、という気にさせられるものでした。


2.アゴン、二台ピアノ版。
よく知られているように、ストラビは編曲魔です。
意地悪く言うなら、自分が過去に作った曲を違う編成の曲に自分で編曲して、もう一儲けしようと常にしてた人です。(違いましたか。)

で、ピアノ伴奏の歌曲が、奇妙な編成のアンサンブルの伴奏に化けたり、大オーケストラのバレー曲が(二台)ピアノ版になったりしてるのですが、ストラビはそのどちらもが異様に面白いんですね。

この二台ピアノのアゴンも、きっと元はバレーのリハのためのピアノスコアか何かなのでしょうが、いいですね。
珍しいもの聴かせていただきました、という感じです。

3.ストラビ版ジェズアルド。
ストラビは他人の曲も編曲します。
一番有名なのは、事実上ペルゴレージ(その他)の人の作品の編曲なんだけどストラビ作曲という感じになってる「プルチネラ」ですが、一時、ジェズアルドにはまっていたこともありました。
(まあ、これにはジェズアルド生誕400年だったということもありますが…。)

それで二つの編曲?作品が残されています。一つはジェズアルドのマドリガーレの三曲をオケに編曲した Monumentum pro Gesualdo di Venosa, そして、もう一曲は、ジェズアルドの Sacrae cantiones という曲の失われた声部を勝手に補完した Tres sacrae cantiones です。

どちらもやたらと面白いのですが、まず Tres sacrae cantiones 。
「プルチネラ」でも、冒頭からストラビのものとわかる不協和音が忍ばせてあったわけで、こちらも、曲はもちろんジェズアルドなんだけどやっぱりストラビの響きになってるところがすごく面白い作品です。ある意味すごく器用な人です。
ストラビはマショーも熱心に研究してたそうなので、マショーのバラードのコントラテノールを勝手に書きかえるなんてことをやっていてくれたら面白かっただろうなぁ、などと思いました。

Monumentum の方も、ジェズアルドの楽譜をどう読むとこんなことになるのかわからないような作品ですが、古楽 MIDI をちょこちょこと作っている身としては、ちょっと示唆的かもしれませんね。

というのは、日頃、中世の曲を MIDI にするのに、各声部に何の楽器を当てればよいかというので延々と悩むわけですが、いっそのことこのぐらいのことをしてしまっても良いのかもしれないという気にさせられます。

つまり中世 MIDI を作るにあたっては、ノートル・ダム・ミサのオーケストラ版を作るぐらいのことをしてもいいという気にもなってくるのです。
(実際にやるのは難しく、私には不可能ですけどね。)

4.その他。
他に面白いものとしては、例えば、「マヴラ」の「パラーシャの歌」をチェロ&ピアノに編曲したもの (Chanson Russe) を、なんとフルニエが弾いてるなんてものがありました。

あとストラビの歌曲はキャシー・バーベリアン(ルチアノ・ベリオの奥さん)が歌うとなかなかハマるとかですね。


それにしても一週間御苦労様でした。
今日からは、しっかり寝ます。
posted by まうかめ堂 at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世以外の音楽

2007年01月21日

モーダル記譜法を達観する!?

「今年の重点領域はノートル・ダム楽派」と年始に宣言した通りに、Apelの記譜法の教科書を読みながら、クラウズラやオルガヌムの MIDI をちょこちょこと up しています。

やっぱり Apel の教科書は、よく読めばわかるようにきちんと書かれていますね。おかげで、段々モーダル記譜法がわかってきた気がします。

少なくともどういう順序で勉強すれば良いかはわかります。

第一段階:モーダル記譜法の基本ルールに従っているディスカントゥス部分。これは誰でもすぐにできます。

第二段階:同じくディスカントゥス部分で、モードが変わるときの連結部分や曲全体の終止部分などのコプラ。ここではモーダル記譜法がだいぶ broken な形で用いられています。ただ brokenとはいってもよく見ると原則の骨格は残っていることがわかることが多いので、「正確な解答」を得ることは不可能にしても、大体の見当は付きそうです。

第三段階:organum duplum (2声のオルガヌム)のオルガヌム部分。この部分は、テノールが聖歌を長く引き伸ばしている上で、ソリストの即興的に歌うような部分で、「モーダル記譜法のルールには必ずしも従っていない」というのが、おそらく、共通の見解でしょう。ただ、どの程度まで「必ずしも…ない」のかが問題でしょう。

モーダル記譜法の勉強しはじめの最初の段階では、たしかにこのオルガヌム部分は全くモーダル記譜法に見えなくても不思議でないのですが、第二段階のコプラの部分を読む経験を多少積んでからだと、かなり違った風に見えてくることがわかります。

すなわち、オルガヌム部分も結構、モーダルなんじゃないかと…。

ただ、Waiteの現代譜をもとにしたマンロウの演奏みたいに、オルガヌム部分もディスカントゥス部分みたいにカチッカチッとしたリズムで急速な三拍子だったというのは、だいぶ変な気がするので、そこはディスカントゥス部分とは違って、ソリストによってゆったり朗朗と歌われていたのだろうと思われます。

それで、以上のような仮説のもとに MIDI を作ってみたのが、昨日 up した Benedicamus Domino だったりします。一応。

(今日、音色を弦からいつもの木管に変えました。)

初期ポリフォニーの曲もそうだけど、楽譜の解読のしかたが確定してないような曲を実際に音にするというのは非常に厄介で、既存の演奏を真似るとか、何か仮設的な原則を作るとかしないと不可能ですね。

ノートル・ダム楽派の2声のオルガヌムについては、以前レオニヌスのオルガヌムを作りかけて挫折した経験があるのですが、今年はこんなかんじでいけないかなぁ…と少し思っています。
posted by まうかめ堂 at 18:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 中世音楽

センター試験、世界史B

新聞で何気なくセンター試験の問題を見ていたら、世界史Bの最初の設問がサンチアゴ・デ・コンポステラに関するものでした。

いやはや、センター試験の問題で聖ヤコブ像の写真が拝めるとは思いませんでしたね(^^)。

でも実際の設問がどれもサンチアゴ・デ・コンポステラに直接関係するものでないというのはどうなんでしょうね?

特に問2。
「巡礼者や旅人」というタームにかこつけて、ここでコロンブスやクックについて聞くのはほとんど言い掛かりではないかと…。

受験生のみなさま、ごくろうさまです。

それから、後の方にクローヴィスの洗礼の様子を描いた絵が掲載されていますが、これはクローヴィスの時代のものではなくて、ずっと後の14世紀後半?の写本の中のものですね。
さすがに同時代のクローヴィスの肖像は無いのでしょうか。
posted by まうかめ堂 at 17:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 普通の日記

2007年01月01日

新年明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2007blog.jpg
(今年の年賀状はパッと見、意味不明です(^^;。ガストン・フェビュスの『狩りの書』でいのししを探したらこうなりました。)

さて、今年の抱負です。

まず、去年からの宿題がいろいろあるのですが、それはおいおい片付けていくことにします。

それで、今年の重点領域はノートル・ダム楽派の予定です。最終目標はペロタンのMIDIを数本作ることですが、そのために、いろいろ勉強しなければなりません。去年のマショーなど、14世紀ぐらいになると誰が楽譜を読んでも大体、大体、同じ結果になるのですが、12世紀ではまったくそうでない……しかもほとんどどう歌っていたのかわからない初期ポリフォニーと違って、ノートル・ダム楽派ではモーダル記譜法という目安となるものがあるので、これは一通り勉強しないといけません。
まあ、「勉強」してわかるものでもないのかもしれませんが…。

そういうわけで今年は更新が極めて緩慢になるかもしれません。
posted by まうかめ堂 at 02:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2006年12月31日

今年一年をふりかえる(2006)

もう大晦日になってしまいましたが、今年一年をふりかえってみたいと思います。時間もないので箇条書きで…。

1.マショーのバラードを大量生産。気がつけば、年内に全43曲ヴァージョン違いのものも含めて MIDI と mp3 が up できていました。
さすがに毎週毎週MIDIを作っていると、MIDI製作に関してある境地に達しますね(笑)。余計なことをやらなくなるというか…。
うちの「ヴィンテージもの(笑)」の音源 SC-88 × 中世の世俗歌曲に関しては、効果的なポイントと限界が見えてきた気がします。

2.William Byrd の My Ladye Nevells Booke との出会いは感動的でした。
これには Myoushin さんに感謝です。
この曲集には一度、中世音楽を放りだしてでもじっくり取り組みたいですね。

あ、それから、今年のマイ・ベスト CDはグールドのバード、キボンズでした。
(中世のCDにこれというのがあまり無かった。)

3.ヨハネス・デ・ムリス著『計量音楽の書』の翻訳(のようなもの)は難航中です。どう決着をつけたものか、落しどころを探っています。
アルス・ノヴァの記譜法に関しては自分でまとめた方が早かったかも…。

4.MMLの有効活用が出来ていなくてごめんなさい…。来年はもう少し…。

来年の計画に関しては年が明けてから書くと思います。

それでは良いお年を。
posted by まうかめ堂 at 01:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2006年12月27日

The Early Music Show

先週、土日のBBC Radio3, The Early Music Show は、久々の本格的中世音楽のプログラム(14世紀、チョーサーの時代の音楽)で良いです。

興味のある方は是非どうぞ。今週中なら聴けます。

Chaucer 1
Chaucer 2

一日目は Gothic Voices の創始者 Christopher Page がゲストでした。(司会の Lucie Skeaping も Page も早口なので私にはかなり厳しかったです。)

この一日目では全盛期の Gothic Voices の演奏が沢山聴けました。

二日目は実は今まさに聴いてるところなのですが、チョーサーのカンタベリー物語の朗読の上に、 BGM に様々な中世音楽がたて続けに流れていて面白いです。

朗読の内容がもうちょっと理解できるときっと楽しいのだけど…現代英語訳でも厳しいですねぇ。

posted by まうかめ堂 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽

2006年12月20日

Gothic Voises のソラージュ

イギリスのア・カペラ古楽グループ Gothic Voices の新譜 "The Unknown Lover - Songs by Solage and Machaut" が出てたので聴いてみました。
(上の Gothic Voices のサイトの Recordings のところで試聴できます。)

プログラムは、なんと、世界最初のソラージュ全曲録音です。(作者不詳だけどソラージュ作の可能性のあるものも含みます。それと軽めのマショーが数曲。)

ということで、ものすごく期待に胸を膨らませて聴きました。しかし…。

ちょっと残念な内容でした。

まず第一に、Gothic Voices にしては演奏がちょっと下手です。いや、一般的に言えば必ずしも下手な演奏では決してないのですが、あくまで「Gothic Voices にしては」です。
創設者の Christopher Page がいなくて古参メンバーが二人しか残っていないと、現ヒリアード・アンサンブルのメンバーでもある Steven Harrold が参加していてもこのレベルなのかという感じでした。
かつての、実は機械でやってるんじゃないかという精巧なア・カペラは見る影もない…と言っては言い過ぎですが、ちょっと残念でした。

二番目に、楽譜の解読にだいぶ疑問が残ります。特にムジカ・フィクタにはうなずけないところが多いです。機械的に「減5度は完全5度に修正」みたいなことをやっているように聴こえます。

それではだめじゃないかと……特にソラージュは…。

現代譜を作って歌っているのかどうかはわかりませんが、解読には音楽学者の Yolanda Plumley が関わっているようにライナーノートからは推測できます。
この人すごく興味深い仕事をしてる人なのですが、実践は苦手なのでしょうか。(←このパラグラフは完全に邪推です。)

結論としましては、かつての Gothic Voices ファンにはあまりお勧めできませんが、アルス・スブティリオール・ファンの人(そんな人どのくらいいるのだろう)には一枚のディスクでソラージュの全曲が聴けるというのはかなり魅力的かもしれません。
演奏も上のサイトで試聴してもらえばわかる通り、全くダメというわけではないですし…。

あ、上のサイトでもこれ以外の(もっと上手かったころの)ディスクも試聴ができますが、次の hyperion のページでも何曲か試聴できて、こっちの方が音質がいいみたいです。

hyperion の Gothic Voices のページ
posted by まうかめ堂 at 02:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 中世音楽(CD)

2006年12月16日

布袋さんの Sumer is icumen in

布袋 厚さんの一人多重録音による(ルネサンス)合唱曲のサイト

ルネサンス音楽の部屋 salle de musique renaissante

に、とうとう、「Sumer is icumen in 夏がやってきた」が up されました!

みなさま、是非聴いてみてください。

中世の曲が一人多重録音でネットに up されたのは、これが初めてのことかもしれません。(わかりませんが。)
それと、「まうかめ堂」のBBSにも少し書きましたが、この曲のオリジナル通りの演奏はヒリアード・アンサンブルのものを除いて私はほとんど知らないのですが、それがこのようにネットで誰でも聴けるようになったというのは、素晴しいことだと思います。

それにしても、構想から半年以上かかって完成とのこと、大変な作業に敬服いたします。

「まうかめ堂」のマショーのバラードみたいに、その日に楽譜をパラパラめくって曲を決めてから up するまでせいぜい4時間ぐらいというのとは大ちがいですね…。
posted by まうかめ堂 at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽