2006年06月06日

「盗作疑惑」について思うこと

あまりこういうところに時事ネタは書きたくないのですが、さる洋画家の盗作疑惑のことであります。
とうとう本人も「盗作と見られても仕方のない」ことを認めて、芸術選奨も取り消しになっちゃいましたね。

普段ならこういう話は「ふ〜ん」で済ませるのですが、今回わざわざ取り上げているのにはちょっと訳がありまして、というのは、朝、読売の朝刊で両者の絵がカラーで掲載されているのを見たときに、盗作の絵をオリジナルだと思いこんでしまい、夜あらためてみて逆だということに気付きえらくびっくりしたということがあったからです。

えらくびっくりしたのには次の二つのことがあります。

一つ目は、ルネサンス期の絵画の展覧会に行ったりすると、しばしば高名な巨匠の手による有名な絵画とともに、無名または本当に名前の無い人が描いた fake だか贋作だか模写だかが並べて展示されているのを目にすることがあるわけですが、ほとんど100%の場合その差は歴然としているということです。
fake の方はまるでオリジナルに及ばない。

二つ目には、にもかかわらずと言うべきか、私は盗作の絵の方をパッと見、優れていると判断していたことにあります。まあ、何分新聞のカラー画なので、この判断はまったくあてにならないことは確かなんですが…。
(それに、上のケースと盗作は違いますし。この場合のことはわからないけど、盗作がオリジナルを越えることはあるでしょうしね。それに、当時は盗作とは見做されてなかったけれども現代から見ると盗作にあたるかもしれなくて、オリジナルを軽々と越えてみせた人にモーツァルトがいますね。)

それで、盗作ということになった人の肩を持つわけではまったくないですが、「構図を借り、私なりのものを加えているのが自分の手法。」というのは言い訳でもなんでもなく、本当にそうだったんじゃないかという気もちょっとしてきました。
ただ、仮にそうだったとしても正当な手続きを踏んでいないのだからこういう事になってもしかたないことには変わりはないですけどね。

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posted by まうかめ堂 at 01:56| Comment(8) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年06月05日

吸血鬼映画論のようなもの (序)

きのうのマショーについての記事は、あとで読み返してみるとまうかめ堂の悪文のなかでもとりわけ悪文なものでしたね。

ほとんど思いついたままに書き散らしているので、分裂、散乱していて、しかも同時に三つか四つのことを詰めこんでいるために、他の人が読んで非常にわかりずらいものになってます。

まあ、でも、私自身の考えた痕跡ぐらいにはなっているのでとりあえずよしとしましょう。

さて、表題にある吸血鬼映画ですが、最近ものすごく驚嘆しつつ見てた1920年代の無声映画の中にF.W.ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu』(1922)があり、また、これは正確には無声でないけどカール・ドライヤーの『ヴァンパイア Vampyr』(1932)があり、さらに、HMVで一枚980円がさらに15%引きで800円台になっていたので思わず買ってしまったDVDにハマー・フィルムの『吸血鬼ドラキュラ』(1957)がありと、なんかたて続けに吸血鬼映画ばかりを見ていて、「そういえば吸血鬼映画って、なんか印象に残っているのが多いな」と思い、ちょっとまとめてみようかと思いたってこんな記事を書いているわけです。(←悪文。)

それで、なんか考えてるといろいろ言いたいことが出てきて頭のなかで収拾がつかなくなりつつあるので、今日はやはり項目だけ並べてみることにします。
(さて、後で中身を書く気になるかどうか…。)

1.吸血鬼映画マイ・ベスト1はカール・ドライヤーの『ヴァンパイア Vampyr』。
芸術性の高さで、やはりこれがベストになりますね。トーキーでありながらセリフを拒み、無声時代の表現が生きている名作…。

2.F.W.ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu』。怪優マックス・シュレックの強烈な吸血鬼のヴィジョンは、実はブラム・ストーカーの原作に最も忠実かもと思われ…。

3.やっぱりドラキュラのヴィジョンを世に定着させた映画と言えばベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』(1931)でしょう。

4.『魔人ドラキュラ』には脚本もセットも同じだけど役者が違うスペイン語版があるのって知ってました?

5.私のドラキュラの原体験はハマー・フィルムの『吸血鬼ドラキュラ』。
クリストファー・リーが私にドラキュラ像を植えつけました。

6.まさにC級ホラーのケッサク、怪優ウド・キア主演『処女の生血 Blood for Dracula 』(1974)。なんとアンディ・ウォーホールのプロデュース。(実は名前を貸しただけとの説あり。)あんまりの展開に大ワライしながら見た映画でした。

7.なんだかんだで一番つまらなかったのはフランシス・コッポラの『ドラキュラ』(1992)かも。

Appendix. 『ポーの一族』?『吸血姫美夕』?『ヘルシング』?『月詠』?


いやはや、こんなの全部書いてたら大変ですね。マショーのMIDIを作ってた方がずっと良いかも…。
posted by まうかめ堂 at 00:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 普通の日記

2006年06月04日

マショーのバラード 2声 vs 3声以上

今年の「重点領域」と年の初めに定めたマショーのバラード「チクルス」も、それなりに着々と量産できていて、2声曲は全曲 MIDI 化を終え、3声曲に突入しはじめました。
そこで、2声と3声では全く世界が違うのだという、非常に興味深い事実に気付きました。

それは「2声のようなフレキシビリティーが3声には無い」、「3声曲の構造は2声曲よりはるかに rigid である」、という口に出してしまうと当たり前に聞こえることなのですが、作ってみてそれを実際に体感できたというのはちょっと良い経験です。

これに関して二つのことを思いました。

第一には、中世音楽は単旋律のものと多声のものに大きく分けられますが、多声音楽もそれに匹敵するような差異として2声と3声以上に分けられるということです。

これは、単旋から2声への飛躍と2声から3声への飛躍がそれぞれかなりの期間を要したのに、3声から4声以上への敷衍は比較的短期間で行われたということと本質的に関わることと思われます。

またこれはノートルダム楽派におけるモーダル記譜法の導入とも微妙に関わってくることです。すなわちレオニヌスの時代までのような多分に即興的要素を含む2声の音楽においては必ずしもリズムをrigid に書き記さなくとも容易に「調和=協和」のための同期が得られたわけですが、3声以上で同期するとなると「時間 tempus」を何らかの意味で「計量する mensurare」必要が生じるわけです。

ただ、この辺の発展のモチベーションの核心がどこにあったのかは微妙かつ難しい問題ではないかと思います。つまり、3声以上に拡張するためにリズムの構造化が起こったのか、最初に2声において既にリズムの構造化が起こってそれが自然に3声に拡張されたのか、はたまたそれらが同時に起こったのか…。

面白いのは、完全に計量された音楽であるマショーの作品においても2声曲と3声曲の間にこれほど実感できるほどに差があったということです。

二番目には、トレチェントの曲で2声曲のウェイトが大きいのは、そのフレキシビリティーと直接関わっているようだということ。

確かにトレチェントの decorative な旋律重視の表現においては2声曲の方が圧倒的に作りやすそうです。
(カッチャは例外ですね。カッチャも旋律重視の音楽であることには変わりないと思いますが、これは系統が別ですね。)


マショーに話を戻しますが、3声の曲でもう一つ興味深く思ったのはコントラテノールの豊かさです。マショーの3声曲ではコントラテノールがいわば「狂言回し」になってるんじゃないかと…。

例えば、 Gais et joli ではAパート(二回くりかえす前半部分)で、三分の一ぐらいのところでコントラテノールに上声部のAパートのエンディング(二回目の方)の予示が既に出てくるんですね。しかも上声部のフレーズの切れ目にかぶせるような形で…。

本当に面白いですね、コントラテノール、和声やリズムの補完的声部にとどまるわけでなく、近代以降の音楽で言うところのオブリガートとも違う、マショーを始めとするこの時代のポリフォニーは本当に興味深いです。

また、これは、最近BBSの方でちらっと言った、コントラテノールにチェロ、Tテノールにハープシコード、というMUSICA ANTIQUAの Myoushin さんがよく使われている楽器法がしっくりくるということと関わっています。

チェロの音って大抵の音源でかなり分厚いウェイトのある音なのですが、これを敢えてコントラテノールに置き、上声部とがっつり対決させて、その分テノールを撥弦楽器にしてウェイトを軽くしておくと面白いぐらい良いバランスになるんですね。

マショーも、マショーの MIDI 化も興味が尽きないです。
posted by まうかめ堂 at 04:29| Comment(4) | TrackBack(0) | 中世音楽

雑々

今年は、先月までバタバタに忙しく、なかなか日記にまで手がまわらずに、ずいぶんと久しぶりですが、ようやく少し余裕がでてきたので、また、いろいろ書いておきたいことも出てきたので、手始めとして、トピックだけここに並べておきたいと思います。

中世音楽について
1.マショーのバラードを20曲弱、作ってみての感想。
2.「カペラのマショー」revisited (CDの感想)
3. ヒリアード・アンサンブルの出てるペロタンDVDの感想。

それ以外のこと
4.無声映画末期の subtilitas について。(まうかめ堂、1920年代後半の、欧州の監督による無声映画に驚倒するの巻。)
5.吸血鬼映画論のようなもの。

とまあこんな感じですが、少なくともここにメモっておかないと書かずじまいになる可能性があるので…。
(メモっておいてもそうなるかも…。)
posted by まうかめ堂 at 02:36| Comment(4) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2006年03月25日

近況(ちょっと長いです)

みなさま、こちらではほんとに御無沙汰です。

なかなか、マショーを月4曲ペースで作ろうとすると、そちらにエネルギーを取られて日記を書くところまでエネルギーが回りませんね(^^;)。

そのマショーはそれなりに快調に量産しています。
とにかく土日など休日の午後が数時間空いていて、なおかつ気力体力が残っていたら一曲作り、できるだけ5時間以内に up する、などというノルマを密かに課していたりするのですが、それなりにこれが続けられているのはマショーが面白いからですね。(まあ、今月に入ってちょっとバテましたが…。)

とにかく up するところまでパパッと行ってしまうのが一番効率が良いようです。
そうすればあとはその週に暇な時に少しずつ調整していくというので、まうかめ堂的に「まあこれでよかろう」という水準に持っていけます。
だから、最初に up してから一週間ぐらいは秘かに何回もデータが差し換えられてます。

それにマショーは「こりゃ駄作だ」っていうのが今のところ見当たりませんね。
一見すると???に思える曲も、よくよく見てみると凄いアイデアが二つ三つ平気で入ってたりするので侮れません。

また、二番まで繰り返すというスタイルも定着しました。一回目はオーソドックスに曲を聴かせて、二回目はできるだけ遊ぶ、というのが作りやすいバランスです。

というわけで、マショーはしばらく続きます。(でも年内にバラード全曲は難しいか…。)

さて、以下その他の近況報告です。

1.Kinokuniya BookWebで中世音楽関係の本を検索していたら、Saint Martial & Santiago de Compostela の polyphony の T. Karp という人による新しい edition の古書がごろごろ転がっているのを見付けました。

The Polyphony of Saint Martial and Santiago De Compostela (2 Volumes)

新品は二巻セットで160ドルぐらいするみたいですが、状態が Fine で5000円ちょっとのものがあって、それを購入、たしかに Fine な状態のそれもこの値段でいいのっていう立派なものが来ました。すごく得した気分です。

中身を見てさらに、びっくり!何をどうびっくりしたのかは、長くなるので別の機会に…。きっと賛否両論わかれるような transcription で、おそらく否定派の方が多いんじゃないかと思うけど、一見したところとても首尾一貫した仮説に基いていて、まだ良く見れていないけれども、いくつかの曲はかなり説得力のあるように見えます。

というわけで近々、Congaudeant catholici の第七の version の MIDI が作られることとなるでしょう。


2.ネットで見付かる規模の大きい free music sheet archive のサイトの一つ、WIMAのエディターの方からじきじきにメールを頂き、二つのお願いがあるとのこと。

ひとつは、WIMA から Atrium Maucamedi にリンクをはらせてほしいということで、もう一つは「まうかめ堂」の transcription を掲載させてほしいとのことでした。

リンクはもちろん歓迎でしたが、掲載に関しては校正が十分でないこともあってちょっと迷いました。でも、向こうからじきじきということなので OK することにしました。
順次掲載されていくようです。現時点ではマショーの Ma fin est mon commencement がまうかめ堂の MIDI とともに掲載されています。

「ああ、この MIDI を作りなおしておくんだった」と後悔したものの、エディターの人からは、 I want to congratulate you for the high quality of the Machaut MIDI file. と言われちょっと微妙に赤面。 ホームページを公開しているのって実はすごく恥ずかしいことをしてるのかもと…。

また、リンクをはられてから「まうかめ堂」の英語のトップページへのアクセスが急増しました。さすがは有名サイトです。このところ日本語のトップページより英語の方がアクセス数が多いです。


3.これは多分 2. の影響か。
今度はwww.ninenote.comというところのエディターの人からメールを頂き、「"Stella splendens in monte"の最初の20小節をうちの recorder e-book に掲載させてほしい、credit するから」とのこと。

これも、断わる理由は無いので OK し、リコーダー用にいくつか modify した方がいいと思うことを返事に書いたら、さっきさらにその返事が楽譜のサンプルとともに返ってきて、さすがはプロの仕事です、本当にうまいことちょっとしたアレンジを入れて使っています。

それなら、わざわざ私を credit しなくても良いように思うのですが、その「ちょっとしたアレンジ」が、実はまうかめ堂の MIDI に inspire されたもののようなので、そこがこのエディターの人の誠意なんだろうなと思いました。


それにしても、ネットってある日突然回路が開くものですねぇ。
迂闊なことはできませんね。本当に。
posted by まうかめ堂 at 03:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2006年01月01日

新年あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
m2006.jpg
さて、唐突ですが、今年の抱負を述べさせて頂きます。

まず MIDI の「重点領域」はマショーのバラードです。年末に作ったぐらいのフットワークの軽い MIDI をポンポンと作れたらと思っています。月平均3.3曲ぐらい作ると一年でバラード全曲できますね。でも、そんなにうまくいかないと思いますが…。一つのことばかりやってると飽きるので他のことも始めたりしますし…。

まあとにかく、今年はマショーのバラードということで。

それとリンクさせる形でヨハネス・デ・ムリスの『計量音楽の書』の翻訳を進めて、アルス・ノヴァの記譜法についてのページなぞ作れたらいいな、と考えております。

それから、MIDI gallery のページがだいぶ巨大になってきたので、再編成したいなとも考えています。また、少なくとも曲名の日本語訳ぐらいは付けた方が良いかという気になってきました。「まうかめ堂」に並んでいるような曲は、タイトルの定まった日本語訳が無いものがほとんどで、私自身、コンサートなどのプログラムで日本語の題だけ書かれてもどの曲かわからないという経験をしばしばするので、原題一辺倒でやってきたのですが、やはりそれではちとサービスが悪いかと…。

また各曲に一言づつコメントを付けられると良いのですが、これはなかなか難しいですね。

まあ、今年はそんな感じのことを念頭においてゆるゆるやっていきたいと思います。

posted by まうかめ堂 at 01:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2005年12月31日

今年一年を振り返ってみたりする。

いやはや年の瀬であります。

2005年を振り返ってみるに、一時家族の入院など心配なこともありましたが、なかなか充実した一年でした。

物事が良く回っていて、ある意味ちょうど良い忙しさで、その煽りで「まうかめ堂」の方も存外、更新が進んだというのが良かったですね。

というわけで、今年の更新の結果を並べてみます。


MIDI & mp3
1/2 Dufay: Je requier a tous amoureux, MIDI
1/13-16 Calixtinus: Nostra phalans, MIDI mp3
1/31 Machaut: Kyrie ,MIDI mp3
4/25 Dufay: Gloria ad modum tubae, MIDI mp3 transcription
5/3 Lorenzo da Firenze: Da, da a chi avareggia, MIDI mp3
5/28 English Dance, MIDI mp3
6/20 Solage: Joieux de cuer, (revision) MIDI mp3
6/29 St. Godric: St. Nicholas, MIDI mp3
7/9 Llibre vermel: O virgo splendence, (revision) MIDI mp3
8/9 Johannes Cuvelier: Se Galaas, MIDI mp3 transcription
9/9 Jehannot de Lescurel: A vous, douce debonaire, MIDI
9/25 Johannes Ciconia: Dolce fortuna, MIDI
10/1 Johannes Ciconia: Con lagrime bagnando me, MIDI
10/16 Johannes Ciconia La fiamma del to amor, MIDI mp3
11/26 Le Roman de Fauvel: Favellandi vicium, Mundus a mundicia, Super cathedram/Presidentes/Ruina, MIDI
12/12 Machaut: Ne pensez pas, MIDI
12/17 Machaut: Dous amis, MIDI
12/25 Aquitanian polyphony: Jubilemus, exultemus, MIDI mp3

その他、解説文章など
5/8「MIDI & mp3 セレクション」のページ
6/8 「スタンコお嬢さん撰 MIDI gallery」
8/1 移転 & 独自ドメイン maucamedus.net での運用開始!
11/3 ケルンのフランコ著『計量音楽論』の翻訳、ひとまず最後までたどりつく
11/7-29 「フランコ式記譜法の解説」
12/18 ヨハネス・デ・ムリス Johannes de Muris 著『計量音楽の書』 Libellus cantus mensurabilis の翻訳開始

「中世以外の音楽のまうかめ堂」の更新
3/23-4/4 バルトーク:ミクロコスモス第五巻より六曲
10/30 エリック・サティ:『スポーツと気晴らし』から第10曲ゴルフ、第14曲ピクニック


内容に関しては、今年はあまり核となることがありませんでしたね。強いて言えばフランコか…。

来年はテーマを絞って重点的にやれればいいななどと考えております。

それでは、みなさま、よいお年を。
posted by まうかめ堂 at 02:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

2005年12月23日

Leonin: Viderunt omnes に 対して敗北宣言

クリスマスに向けて、それっぽい MIDI でも作ろうと思い、レオニヌスの VIderunt omnes を作りかけましたが、挫折しました。

理由は、前に「Tonus Peregrinus のレオナン/ペロタン」のところでちらっと関連することを書きましたが、ディスカントゥス部分以外のところの記譜がモーダル記譜法の規則に厳密に従っていないため、その部分のリズムの処理をどうして良いかわからないことです。

いくつか仮説を立てて解決を試みるも、どうもしっくり来ません。
もうすこし勉強してから出直しましょう。

参考になりそうなものは、実践的には「定量リズム」による単旋聖歌の演奏とか、とりわけアンサンブル・オルガヌムなど、理論的には Rudolf Flotzinger: Leoninus musicus という本、あたりでしょうか。

レオニヌスのものとされる2声のオルガヌムは、モーダルの理論が確立する前から建て増しされてきた amalgamated な音楽ということになります。
以前には、「オルガヌム部分+ディスカントゥス部分+聖歌の部分」という三重のテクスチュアからなる音楽かと思っていたのですが、どうもファクシミリをみているとそれは間違いで、オルガヌム部分がさらにモーダルな部分とそうでない即興的に見える部分に少くとも分けられる、四重あるいはそれ以上のテクスチュアからなる音楽のようです。

ちょっと難しいです。

やっぱりノートル・ダム楽派はペロタンから始めたほうが良いのかも…。
posted by まうかめ堂 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記

今度こそ振動数は槌の重さに反比例しない

ちょっと前に書いた二つの記事の「槌の振動数」についてもう一度考えてみました。

「振動数は槌の重さに反比例しない?!」

「やっぱり振動数は槌の重さに反比例する?!」


仮定をもう一度述べますと、簡単のため直方体の金属棒(というか等方性の弾性体の棒)の横方向の振動のみを考えます。

このとき基本振動数と棒のサイズの間の関係は次のようです。(今度こそ正しい、はず…。)

基本振動数は長さの自乗に反比例し厚さに比例する


(これまでは曲げのモーメントの計算で間違っていました。)

「長さの自乗に反比例」というのは「はあ、そうですか」という感じでそれなりに納得もいくのですが、「厚さに比例」というのはちょっと一瞬、直観に反する気もします。鉄琴の金属板の厚さを二倍にするとオクターブ上がるというのは一瞬不思議な感じもしますが、厚くなるとそれだけ曲げのモーメントが大きくなる(曲げるのにより力が必要になる)のでそれが効いてるわけですね。

でも、こうなると、ピタゴラスが鍛冶屋で協和音程が整数比と関係付けられることを「重さ」を通じて発見できるもう一つの可能性が出てきましたね。

つまり、叩いてみて出る音が協和してる長さの同じ二つの直方体の金属棒の「重さ」を計ると整数比だったということがありえます。実は「厚さ」がその比だったということですね。

まあでも、いずれにしても「槌の重さ」自体に比例 or 反比例というのはなさそうです。

また、これ以上、「伝説」に対して云々してもどうかと思うのでこのへんでこの話題は終わりにしたいと思います。
posted by まうかめ堂 at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 中世音楽

2005年12月17日

サーバトラブルでデータが飛びました。

昨日(12月15日)、「まうかめ堂」で借りてるサーバでハードディスクのトラブル があり、RAIDであったにもかかわらず二台とも同時にポシャったため、データが一週間前に戻ってしまった、ということがありました。(なんか大昔のUNIXで管理者がバックアップをミスったときみたいです。)

「まうかめ堂」に関しては、全てのデータが手元に取ってあるので大過はなかったのですが、「すたんこ日記」がまるまる一週間分飛んでしまったのが非常に残念でした。(折角ここのところ毎日書いてくれてたのに…。)

ちょっと運が悪かったです。

自分で書いたものは全て手元に残すようにしてるのでよいとして、またBBSへの書き込みもメールで転送されてくるのでよい…だけど、「すたんこ日記」は穴場でしたね。まめにバックアップとらなきゃいけませんね。それともCGIを改造してメールで転送するようにするとか…。
posted by まうかめ堂 at 02:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 「まうかめ堂」の日記